EMPIRE HOLLYWOOD JOURNAL / MOISSANITE — CARE
「モアサナイトは劣化しますか」と検索すると、どのページも「劣化しません。半永久的です」と答えます。石の話としては正しい。ただ、あなたが買うのは石そのものではなく、石が留まったジュエリーです。そして、その周りは確実に変わります。修理や再コーティングで店に持ち込まれるのも、石ではなく周りの話です。

モアサナイトの硬さ(モース硬度)
9.25
ダイヤモンドの10に次ぐ硬さ。
変わるのは石ではなく、その周りです。
石は、実際どれくらい強いのか
モアサナイトの硬度はモース硬度で9.25です。ダイヤモンドの10に次ぎ、サファイア・ルビーの9を上回ります。モース硬度は「何に引っかかれると傷がつくか」の順番なので、9.25ということは、身の回りのほとんどのものでは傷がつかないという意味です。
| 石 | モース硬度 | 日常での傷つきやすさ |
|---|---|---|
| ダイヤモンド | 10 | ほぼ傷つかない |
| モアサナイト | 9.25 | ほぼ傷つかない |
| サファイア・ルビー | 9 | ほぼ傷つかない |
| CZ(キュービックジルコニア) | 8.5 | 石同士が擦れると角が丸くなることがある |
| 水晶 | 7 | 砂ぼこりで擦れる |
砂ぼこりの主成分である石英の硬度は7なので、CZの8.5でも砂には負けません。ただし同じ硬さのCZ同士が擦れると、少しずつ削れます。石がびっしり並んだチェーンを重ね付けしていると、年単位で角の鋭さが落ちて光が鈍くなることがあります。モアサナイトの9.25では、これがほとんど起きません。
では、何が変わるのか
1. 925シルバーは黒ずみます(硫化)
当店のモアサナイトは925シルバーに留めています。銀は空気や汗に含まれる硫黄と反応して、表面に硫化銀の膜をつくります。これが黒ずみです。汚れではなく化学変化なので、水で洗っても落ちません。
ただし元に戻せます。シルバー用の研磨クロスで拭けば、膜が取れて銀の色が戻ります。ただし、コーティングされた製品に研磨クロスを強く使ってはいけません。コーティングごと削ってしまいます。ゴールド・ローズゴールドの製品は、乾いた柔らかい布で拭くだけにしてください。
2. 表面のコーティングは薄くなります
金色やローズゴールドの色は、地金の上に金属を薄く重ねたものです。当店の製品は白銅スズ1μm → パラジウム0.03μm → 金またはロジウム0.025μm → 保護樹脂の多層で仕上げています(詳しくは素材の記事)。いちばん表の層は0.025μm、髪の毛のおよそ3,000分の1です。
この薄さなので、擦れる場所から確実に薄くなります。減りやすいのは、留め具の周り、肌に強く当たる面、服とすれる部分。色が変わるのは劣化というより、消耗です。
やってはいけないこと
色が変わった部分を磨いて戻そうとしないでください。残っているコーティングまで削れて、地金が出ます。石がびっしり並んだデザインでは、石の間に研磨剤が残って余計に曇ります。
3. 爪が緩みます
いちばん危ない変化です。石が無事でも、留めている爪が緩めば落ちます。原因のほとんどは、どこかに引っかけた衝撃です。袖口、カバンの持ち手、シートベルト。ぶつけた覚えがなくても、少しずつ開いていきます。
ときどき、指の腹で石を軽く押してください。わずかでも動く感触があれば、それは緩んでいます。その状態で着け続けると、いつか外れます。落とした石は、まず見つかりません。
「曇った」と感じたら、まず疑うのは皮脂
モアサナイトには油を引き寄せる性質があります。皮脂、化粧品、ハンドクリーム。これらが石の表面に膜をつくると、光が入らなくなって輝きが落ちます。石が劣化したのではなく、汚れているだけです。
- ぬるま湯に中性洗剤を数滴溶かす
- 10分ほど浸ける
- 柔らかい歯ブラシで石の裏側をなでる(汚れは裏に溜まります)
- 流水ですすぎ、柔らかい布で水気を取る
- 完全に乾かしてからしまう
これで戻らなければ、汚れではない別の原因です。そのまま店にお持ちください。
色が戻らなくなったら、再コーティング
薄くなったコーティングは、自分では戻せません。当店では購入金額の30%で再コーティングを承っています。ロジウムやパラジウムを使って新品と同じ状態に戻し、本体が無事なら何度でもできます。
| 買ったときの価格 | 再コーティングの費用 |
|---|---|
| 6,380円(モアサナイト 1ctピアス) | 1,914円 |
| 17,600円(CZテニスチェーン 3mm・50cm) | 5,280円 |
| 83,600円(モアサナイト テニスチェーン 5mm・40cm) | 25,080円 |
持ち込まれる中でいちばん多いのが『自分で磨いてしまった』ケースです。最初は爪の周りが少し色変わりしていただけなのに、磨いた結果、面全体の地金が出てしまっている。色が変わったら、触らずに持ってきてください。再コーティングすれば本当に新品同様に戻ります。何度でもできます。捨てる前に、必ず一度相談してほしいです。
当社記事「ジュエリーが変色した・コーティングが剥がれた・石が取れた時の対処法」(2026年8月17日公開)より再掲。
結局、何年もつのか
正直に書きます。石は、一生使えます。次の世代に渡せる硬さです。
一方、コーティングが何年もつかは言い切れません。毎日着けるか週末だけか、汗をかく季節か、何とすれるか。条件で大きく変わるからです。だから当店は年数を約束する代わりに、色が変わったら30%で戻す仕組みにしています。
答えをまとめるとこうです。石として見れば一生もの。ジュエリーとして見れば、手入れしながら長く持つもの。この2つを分けて考えると、期待とのずれが起きません。
よくいただくご質問
モアサナイトは劣化しますか?
石そのものはほぼ劣化しません。モース硬度9.25で、日常生活で傷がついて曇ることはまず起きません。ただし、石を留めている925シルバーの黒ずみ、表面のコーティングの薄れ、爪の緩みは起きます。
モアサナイトが曇ってきました。劣化ですか?
多くは皮脂や化粧品の汚れです。モアサナイトには油を引き寄せる性質があります。ぬるま湯に中性洗剤を溶かして10分ほど浸け、柔らかい歯ブラシで石の裏側を洗うと戻ります。
色が変わってしまいました。直せますか?
直せます。EMPIRE HOLLYWOODでは購入金額の30%で再コーティングを承っており、本体が無事なら何度でも可能です。自分で磨くと残っているコーティングまで削れるので、そのままお持ちください。
モアサナイトは何年もちますか?
石は一生使えます。一方で表面のコーティングは、着け方や汗の量で大きく変わるため、何年と言い切れません。当社は年数を約束する代わりに、購入金額の30%で何度でも再コーティングできるようにしています。
石が取れてしまいました。接着剤で付けてもいいですか?
使わないでください。接着剤が石の裏に回ると光を通さなくなり、石が曇ります。爪を留め直せば直ることがほとんどなので、そのままお持ちください。
お風呂や温泉で着けたままでも大丈夫ですか?
外してください。石は平気ですが、温泉の硫黄はシルバーを一気に黒ずませ、洗剤やシャンプーはコーティングを傷めます。
THE PIECES
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